相続不動産の売却

被相続人（亡くなった人）の相続財産に不動産がある場合、相続人が不動産を受け継ぎます。

しかしその不動産が遠方にあり相続人自らが住めない場合や、必要がなく住まない場合があります。このような場合、不動産を一回相続してその後売却し現金化することがあります。

不動産を売却するまでの大まかな流れは以下の通りです。

1. 遺産分割協議をする
2. 不動産名義変更（相続登記）をする
3. 不動産の売却先を探す
4. 売却し所有権移転登記をする

相続した不動産は相続人全員の共有財産となるので、まずは遺産分割協議をする必要があります。次に亡くなられた方の名義の不動産のままでは売却できないので不動産の名義変更をする必要があります。（被相続人→相続人に名義変更）

その後不動産を売却します。不動産の売却は仲介業者を通して売却先を探すのが一般的です。売却先が見つかったら売却をし「所有権移転登記」をし完了です。関連記事として遺産分割協議書作成もご覧ください。

結論から申し上げると相続した不動産を放置するメリットはほとんどありません。

相続不動産を放置してしまうとまず税金（固定資産税）が必ずかかってきます。万が一滞納してしまうと役所からの督促状→最終的には給与や貯金の差し押さえとなってしまいます。

遠方のため管理が難しいから放置してしまうのもよくありません。空き家にしておくことで経年劣化が進み不動産の価値が下がります。いざ売りたい時に売れない、もしくは想定した金額より大幅に安く買い叩かれてしまうこともあります。

更に放置しておくことで他人にその不動産を時効により奪われる危険性もあります。

1. 二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。
2. 十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を取得する。（民法162条）

そのため売却を検討するのも一つの有効な手段とも言えるのではないでしょうか。